2010年04月20日

御巣鷹山の暑い夏

言葉を換えれば、
君達が日陰者である時のほうが国民や日本は幸せなのだ。
どうか、耐えてもらいたい。
--吉田茂「防衛大学校での送辞」--

出版業界も冬の時代と言われて久しいが、その一方で自費出版という手段はネットの発達で伸びて・・・るのかもしれない。いわゆる「同人誌」なのだが、アニメのパロディや成年コミック以外の同人誌も当然存在します。

「GENBUN MAGAZINE」は戦争劇画の小林源文氏(もとふみ、本の名前はゲンブンだけど)が、自身の劇画を収録した同人誌でこれまでに5冊ほど(正確には違うかも)発行されています。夏冬のコミケじゃないと買えないと思ってたら最新刊がアマゾンで売っていたので買ってみました。

えー、書名の通り1985年の日航ジャンボ墜落事故に災害出動した自衛隊員の様子が描かれた劇画です。確か1度だけ雑誌に収録され、単行本には入っていない中途半端なファンの私では未見の一作です。

あらすじはこんな感じ・・・日航機が墜落した直後派遣されたのは、自衛隊の中でも若年者の多い施設科(工兵隊、直属の専門高校からの配属もあるので若い隊員が多い)だった。重機も照明も無い中、隊員は黙々と支援用のヘリポートを開削し、遺体の収容を始める。面白半分に飛び回る取材ヘリ、感覚が麻痺する中で始まる○○ジャンケン・・・現地での証言と、源文氏の妥協なしの描写が当時の状況を克明に描きます。

彼等の活動全てが完璧であったわけではありませんが、この過酷な状況下で起きた事を非難する事が出来るでしょうか。政治的に自衛隊には様々な感情を持つ人がいるでしょうが、その中にいるのは普通の人間なのです。

自衛隊の隠れた歴史の1ページ、よろしければ是非ご覧ください。

なお、劇画は36ページ、カラー表紙の同人誌としては値段は相場でしょう。旧軍とか自衛隊とか雑誌や単行本だと色々横槍が入るそうなので、やっぱりこういう形態の出版がベストなのでしょう。
posted by たわらった at 21:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評(漫画・ゲーム・映画も) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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