2010年09月13日

それは本当に「下層食い」?

他の多くの事例同様、人が全く意図していなかった目的を
達成させようとする見えざる手によって
導かれた結果なのである。
--アダム・スミス「国富論」--

巷でモバゲー・グリーの躍進について既存ゲーム業界との関係をあれこれ言うけど、とりあえず自分はこんな感じだと思っています。

どんな商品でも長年売り続けると肥大化していく。前の製品より改善しないと売れないし、何より顧客の要求ってのは盛り込まないといけない。こうして商品は徐々に高コストだが高品質なものに育っていく。

ある日、別のアプローチで似た商品が出てくる。客層や販売チャネルが違うし、何より安いだけで品質は滅茶苦茶で到底、自分たちの市場を脅かす存在ではない。そう思ってるとある日突然消費者に梯子を外される日がくるわけだ。「そこまでの品質は必要としていない。向こうの安さは魅力的だ。」

これが「イノベーションのジレンマ」。これは本に事例として挙げられているハードディスクやパワーショベルといった国際的な大企業レベルでなくてもよくある。例えば100円シュークリームが売り物の洋菓子屋がケーキ類にも力入れたら「安い」イメージが無くなって存在感が無くなったりってのもこの現象としていいんじゃないだろうか。

んで、ゲームの話。ハリウッド映画並みに予算と人員を集めて作る家庭用ゲーム。そこまでしなくても・・・というわけにはいかない。前作も同じように作ってきたゲームを楽しんだ顧客に買ってもらうには前作より進化しないといけないから。でも、そんな事言ってるうちに、Webゲーやソーシャルゲーに「これでも充分遊べるじゃん」って言われて逃げられてしまうのが今の状況だと思う。

だから決してメーカーにとっては「客層が違うから」とか「ライバルは別にいるだろ」で済ましていい問題じゃないと思う。もともと特定の層のみを相手にする商売ならともかく、全員が潜在顧客のハズの業界なんだから客層とか言った時点で負けだろう。

んじゃ、どうするかって問題だけど、やっぱりそれは難しい。パイが減っていくのをみながらこれまでの手法を取り続けるのか、それともパイは減りながらも費用対効果の良い抜け道があるのか、または向こうの業界に今のリソースを抱えながら討って出るのか。どれも厳しいけど時代の変革ってそんなもん。

氷屋さんって冷蔵庫が氷入れて冷やす時代は一杯あったらしいね。今は減ってるけど飲食店向けにやってる氷屋はあるし、セブンイレブンはアメリカの氷屋が始めたビジネスだったよね。

まぁそんなわけで危機感持たないで対岸の火事っぽい言説が多いのでちょっと業界が心配になってきた。俺もゲーム好きの一人なのでね。っていうより自分のお仕事の業界もホラ、いろいろ大変なわけですよ。メリケン人が「no software」なんて言って来たりして(笑)。箱が売れねえよ。どーすんだよ。
posted by たわらった at 00:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評(漫画・ゲーム・映画も) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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