2014年08月20日

頭文字M

セカンダリータービンが止まってんじゃねーのか!!
--高橋啓介「頭文字D」--

駄文を書く練習シリーズ

深夜の湾岸地域に集まった美奈子(仮名)とカエル(仮名)。 そう、今日はここでバトルをしようと画策していたのだった。 殴り合い?いや、車好きの二人である。ここはレースにて雌雄を決するのだ。

湾岸ミッドナイトが見当たらなかったので、頭文字Dにて対戦を行う。 コースは秋名峠ダウンヒル、夜。二人が選択した車は次の通り。

カエル…トヨタ・スープラ(JZA80)黒
  先代がGr.A専用ベースカーGT-Rに撃墜される中、
  モデルチェンジされたトヨタの純正スポーツカー。
  パワーを活かした直線番長であるが、改造ベースの
  余裕ある設計から数々の名チューンドカーを生み出した。
  280馬力。

 カエルより一言「最初に変えたのはデフ。ショップの人が驚いてたぜ」

美奈子…トヨタ・アルテッツァ(XE10)青
  不況とミニバンブームにより穴が開いた
 スポーツセダン市場に投入されたトヨタの
 FRスポーツセダン。実用性を失わない味付けは
 良くも悪くもトヨタ80点主義の賜物。
 でも今も買える貴重なFR車。210馬力。

 美奈子より一言「オヤジの車だから。ぶつけたらグーで殴られる♪」

ゲームでの話である。美奈子はこのゲームを何度かやっているのでハンデがいるのかなと思った。加えて秋名峠はタイトーのバトルギア、元気の街道でも散々走っている場所だ。そこで大好きなFDではなくリアルで縁のあるアルテッツァを選んだのであった。

カウントダウン開始…スタート!予想通りみるみる間にスープラがアルテッツァを引き離す。「なにしろ馬力が違いますよ」美奈子は呟いた。しかし、秋名下り1コーナーはノーブレーキでは曲がれない左である。ゲームに不慣れなカエルはここでジ・エンド…あれ?

きっかりコーナーを曲がるスープラ。そしてベストラインを通っても差が広がるアルテッツァ。「うぐぅ」思わず出た悲鳴を美奈子は噛み殺した。大丈夫。ここよりきついコーナーはいくらでもある。そこで…

が、駄目っ…!

秋名峠序盤に出てくる幾つかの急な右コーナー、全て前に出ることができず、良くてアルテッツアがスープラのテールを蹴る程度であった。

前を走る車は容赦なくベストラインをなぞって走ることができる。もしそれを追い抜くのであれば、コーナー入口のブレーキングでわざとブレーキを踏まずに前に出るしかない。抜く側は当然ベストラインを踏めないコーナリングになるが前に出れば抜かれる側、正確には抜かれた側を進路妨害しながら回るのがレースの追い抜きである。直線の最高速で抜くのでなければ、レースは十中八九この抜き方で順位が変わるのである。

美奈子は焦っていた。どんなにブレーキを遅らせてもアルテッツァはスープラのテールにぶつかるのが関の山。前に出る瞬間が存在しない。

バトルは進みスケートラインのストレートに出る。一瞬勾配が減り直線があるが後半は左の複合コーナー、そして右のヘアピンが待つ。美奈子はカエルが複合コーナーでミスを犯すのを待つが長いストレートで開いた差は多少の慣れの差からくるタイム差よりはるかに大きい。

「まずいなぁ…バトルになってない。受けてくれたカエルに悪い」
美奈子は自虐モードに入る。しかし、この後には秋名名物の5連ヘアピンがある。ここで勝てば「まるで豆腐屋みたいだねー」で大勝利確実。汚名返上のポイント…そして二台は5連ヘアピンにさしかかる。

フルブレーキング、そして外側のガードレールに当たらないよう注意しながらドリフト。カウンターを当てて滑りが止まったら全力で加速。それが峠のヘアピンの曲がり方だ。

「誰だよ、下りは馬力差がなくなるからハチロクでも有利って言った奴!」

美奈子は思わず叫んでしまった。急減速と急加速の繰り返し。下りだから馬力差が埋まるとはいえ、加速があるなら馬力が高い方が有利。スープラとアルテッツァの差は全然埋まらない。5連ヘアピンを完敗した美奈子の脳裏は素早く残されたチャンスを探して再計算を始めた。峠は傾斜が緩くなり、路盤の確保が簡単なのか上り側に登坂車線がつき両方向合わせて3車線の道となる。

確か、ここが高橋涼介が抜かれたポイント…傾斜が減り油断が出たところで迫る左高速コーナー。頭文字Dではタイヤに負荷を掛け過ぎた涼介はここで拓海のハチロクに抜かれる。美奈子は考える。このゲームもタイヤグリップ劣化はシミュレートしてたと思う。しかし、つっこみ重視で追いかけていたアルテッツァは、前を走るスープラと同等、あるいはそれ以上にグリップを失っている。どうすれば…

美奈子はこれまでの経験から最終コーナーの記憶を呼び起こしていた。秋名峠のゴールは麓の「竹久夢二伊香保記念館」。しかし、この前のコーナーが非常に癖があるのだ。

3車線分の広くなった道の先に右コーナーが見える。先行するスープラがブレーキングを開始し、美奈子にブレーキランプが見える。しかし追う美奈子はスープラのブレーキ位置より遥か手前からフルブレーキングを開始する。

「残る十中、一二のコーナリング抜き。それは相手がベストラインを踏み外し、こっちがベストラインを通るって事だ!」

緩やかな左コーナーの後の右コーナーは思ったよりもきついコーナーだった。さらに、上り側の登坂車線はこのコーナーの出口(下りから見れば入口)から急に出てくる車線なので、コーナーは急に道幅が減る。セオリーが通じず、ラインの選択肢も少ないコーナーなのだ。

広い道のつもりでアウト・イン・アウトしようとすると、どうしても外側に突き刺さってしまう。さらにこのコーナーは右・左のクランク型のため、次の左に対応するためには左側によってはいけないのだった。

クランクの左側に生じたポケットに入り込むスープラ。そして事前の減速によって右コーナーをアウト・イン・インとこなし、クランクの左コーナーをアウト・イン・アウトで抜けて加速するアルテッツァ…

抜きつ抜かれつのレースではなく、文字通りの末脚光る状態で美奈子のアルテッツァはゴール地点の竹久夢二伊香保記念館前を駆け抜けるのであった。

頭文字M 完

(しっかし、レースゲーのリプレイなんて書く人ほかにいるのだろーか?)
posted by たわらった at 02:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 業務連絡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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