2014年10月07日

ナナのリテラシー(1)(2)

ゲーム業界は今すげぇうるさいのよ
みそ吉さんが描いてた頃とは比べ物になんねえ
--奥村編集長「ナナのリテラシー」--

ファミコン全盛期にアスキーの「ファミ通」で連載していた鈴木みその作品です。コンサルタント会社にアルバイトで入った女子高生の目を通し、漫画、ゲームなどのエンタメ業界の今を生々しく切り取る内容です。ちょうど1巻と2巻がそれぞれ「漫画業界」「ゲーム業界」と分かれており、興味を持った方から読むのがおすすめです。

1巻あらすじ
90年代が全盛期だった漫画家、鈴木みそ吉(笑)がクライアント。出版業界が先細りの中、マニアックな作品を作る彼には電子書籍の方がよいのではないかとの提案をするのだが、版権や技術的な問題が山積しており…果たして電子書籍はうまくいくのか、そしてその障害とは?

2巻あらすじ
ファミコン時代の有名ゲームデザイナー黒河内氏が社長を務めるBOMBがクライアント。携帯ゲームでヒット作品を作りまくる若手と社長の確執は解決できるのか。売れているが不安要素がぬぐえない携帯ゲームの弱点とは何か。そしてこの閉塞感を脱出する手はあるのか?

漫画、ゲームが好きな人間にとっては「今のギョーカイってこんな感じなんだぁ」ってのが伝わる良作です。読んでませんがちょっと前にはやった野球部マネージャーのドラッカー本みたいなものですね。漫画なのでかなり脚色はありますが、アレはアレでしょ、みたいな小ネタもちらりちらり。奥村編集長まで出てくるし。

もちろん誇張やフィクションも含まれています。たとえば奥村編集長が見せた「男気」って、他社から単行本出すときのガイドラインだよね、とか。でも、現在のエンタメ業界が抱えている閉塞感や課題と、それを解決する一つの方向性を指し示すビジネス漫画としては面白いと思います。まぁ理想論といえば片付いてしまうかもしれませんが、希望を見出す物語としては非常によくできています。

と、いうわけで漫画やゲーム好きで「最近どうよ」ってのを知るのにはいい作品だと思います。バブル期に比べて世間って世知辛いよなぁって苦い読後感かもしれませんが…
posted by たわらった at 01:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評(漫画・ゲーム・映画も) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック