2014年12月01日

Wotリプレイをショートショート風に(後編)

みんな同じだ……
何かが特に悲劇だと云うこともない
--ハウザー中尉「ベルリンの豹」--

駄文リプレイ続き

先ほどの射撃地点に出て素早く左右を見渡す。Y字路の左右からM4が突進してくるのが見えた。数で押せると踏んだのだろうか、だとしたら後続がいる筈だ。

「!」
ついに敵の重戦車を発見した。ソ連のKV-2。当時の重戦車の車体に載せられるだけ大きな砲を載せた戦車。鈍重なKV-2までこちらに向けて前進しているとは、この戦域の全敵戦車が突撃をかけているということだ。ウーヴェは射撃の優先順位を決めた。もちろん最大の脅威となるKV-2だ。

「目標KV-2、徹甲弾、撃て!撃ったら全速後退、さっきの岩に戻れ!」
曳光弾が敵の重戦車に向かっていく。が、砲塔の装甲に弾かれるのが見えた。先ほど砲撃を加えた岩の向こうに隠れていた敵までこっちに向かってくるのが見える。間違いない、飽和攻撃を仕掛けている。退がる自車の隣を中戦車が進んでいく、先ほど身を挺して守ったT-28が射撃を開始する。

あいつらは助からんな。敵が多すぎる。元の隘路左側の岩陰に戻りながらウーヴェは思った。いや既にこの戦車の命運も時間の問題なのだ。出来ることは一つ。一秒でも長くこの戦域を維持すること。

T-28が爆散する。彼が盾にしていた岩を回り込んでいたアメリカ駆逐戦車Hellcatが見えたので照準を合わせる。こちらが砲を向けたのに気付いたHellcatが後退するが、後続がひっかかったのか、岩にひっかかったのか車両前部をみせたまま止まる。間髪いれず発射、敵は四散した。まず一輌。

「ここからは高速徹甲弾だ。俺が徹甲弾と言ってもな!」
そしてさっき突撃を確認したM4が2輌こちらに突進してくる。T-28とは違う方の中戦車も気が付いた時には残骸と化していた。M4の片方に命中弾を食らわし行き足を止めるも、もう一輌は突撃を継続する。こちらの裏に回り込むつもりだ。

「砲塔はM4、向き次第撃て!真っ直ぐ後退しろ」
砲塔の動きが遅い重戦車でも車体の旋回を使えば素早い照準ができる。だが、ここで向きを変えては突撃するM4以外の敵に脇腹を晒す行為となる。VK36.01(H)は砲塔を曲げながら後退する。旋回に対する次善の策が後退である。なんとか回り込まれる前に砲が敵を捉えた。88ミリ砲が火を噴いて、M4が爆発する。二輌目。

もはや相手からは自分一輌しか見えないだろう。実際にもうこの隘路に戦友はいない。しかし連続で敵を倒したことで敵はひるみ始めたらしい。我先に隘路に突っ込むことなく顔を引っ込めた。そう、重戦車KV-2を先頭に立てて突破することに決めたのだ。

「目標KV、装填次第発射、倒すまで連射しろ!」
一発目はバカでかい砲塔を貫通した。それでもKV-2は無停止攻撃を続ける。KV-2を盾にして後続戦車が一斉に身を乗り出して砲撃してくるが、こちらの大砲は一門だ。KV-2を狙うしか無い。2発目!砲手は冷静に貫通しやすい場所を狙っていた。KV-2の操縦手バイザーが貫通して消し飛んでいた。さすが重戦車、もう一発必要か…3発目!先ほどと同じ貫通痕が光ったかと思うとKV-2は盛大に爆発した。三輌目、しかし敵は雲霞の如くKV-2の残骸を乗り越えてくる。

「装填完了次第、撃てる敵を撃て!」
敵重戦車を屠ったことで義務は果たしただろう。それ以前に、怪我人は出してないものの、貫通弾多数でもう限界だ。と、装填が完了すると同時に敵の偵察戦車が吹き飛んだ。KV-2の残骸を盾にしていたのが仇になったな。四輌目、そして潮時だ。

「アウスボーデン!(脱出しろ)」
総員が戦車から飛び出すと同時に、愛車VK36.01(H)は大音響を立てて爆発した。願わくば自分の戦いが勝利に貢献していればいいのだが…

基地に戻るとウーヴェは整備中隊に撃破地点を伝えた。運が良ければ回収と整備を行ってまた同じ戦車に乗れる。それから戦闘報告書を手早くまとめると中隊本部に出頭した。

「確認戦果4輌、突破したのが3輌か」
中隊長が戦闘報告書に目を走らせる。
「他の戦車が撃破したのが2輌。合計9輌か、見事なレミング達だな」
敵の飽和攻撃で通信をまともに聞く余裕のなかったウーヴェ車だったが、戦力を集中しすぎた敵はウーヴェが奮戦している戦線以外はザルになっていたらしい。ウーヴェより東の戦線を担当していた部隊がなんなく敵の陣地を蹂躙し、この戦闘は勝利に至っていた。

「よくやった。数に負けていたらどうなってたかわからん戦いだ。大口径徽章を申請したぞ」
中隊長はご機嫌だった。
「そしてウーヴェ戦車長。君は第六感が使えると言っていいベテランだ。転属だ、ケーニヒスティーガーに乗ってくれたまえ」
こうして八面六臂の経験を得て、ウーヴェは更なる重装甲、重火器の戦車を受領したのである。
(das Ende)

WoTのアフレコリプレイをニコニコに上げたかったけど、いろいろ至らなかったので、文章にてあげました。
posted by たわらった at 01:59| Comment(0) | TrackBack(0) | WoT | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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