2015年09月27日

ゲーム上での版権利用における常見問題

一般国民がこの説明を納得することは難しく、
専門家の間では通用して分かり合えるが、
一般国民は残念だが理解しない。
--武藤敏郎「東京五輪エンブレム問題」--



ちょっと気分を変えて、自動車や電車のゲームが出る度に掲示板に出てくる、「アレは収録されないのー」って話。あまりにも同じ話題がエンドレスなので個人的に聞きかじった範囲でまとめておく。

専門家ではないし、裏付けはしていないので注意。具体的な商標や名称が出てきても実態を指してるとは限らないので信憑性の確認は読んだ各自が行ってください。

1.最初に
大抵は商標・意匠をもってる会社に「ゲーム内に出させて」と言えば宣伝費と相殺の形で無償で使わせてもらえるケースが多い。とはいえ、相手が海外となれば連絡するだけで翻訳や郵送のコストがかかるから基本的には日本国内限定となる。版権使用料要求されたらその分、開発コストが上がるから「じゃあ結構です。偽名で出しますから」となることも。

2.自動車関連
基本的に各社、ゲームに収録されるなどのパブリッシングは想定しているので一定の条件を守ればいいですよとなるらしい。特に海外の会社は「エンドロールには以下の版権許諾表記を英語でしてください」みたいに細かな指示ある。

例外的なのがホンダで、「スポーツ走行と危険運転を混同されるのはブランドイメージの悪化につながる」との考えでクローズドサーキット以外が舞台となるゲームでの使用は絶対に許可しない。具体的に言うとGTAみたいなオープンワールド系なんかは不可。「湾岸ミッドナイト」は「首都高の跡地がクローズドサーキット化されてたまに運営会社のメンテナンスカーが走る」という舞台説明があってなんとか許可。

海外はまず交渉窓口見つけて、相手の国の言語で連絡とってと敷居が高いが、裏技として輸入販売会社に許可を取るという手がある。ビスコのドリフトアウト'94ではデルタ、ストラトス等のイタリア勢が「ガレーヂ伊太利屋」の許諾で実名登場。ただ、この手法は輸入もされてないマイナー車が詰む。前記のゲーム、国内メーカーも許諾取得済みだが、フォード・エスコートだけは偽名になってしまった。直属の国内代理店無いし(確かマツダがOEM車売ってるだけで輸入代理店は無い)。

スーパーカー界の雄、フェラーリとポルシェについて。版権管理だけで大きな会社が立つ規模になるせいか、権利購入を希望するゲーム会社、玩具会社に「独占使用権」を与え、そこから二次販売していいよというスタンスをとっている。二次販売が曲者で、独占使用権を持ってる会社に「使わせて」と言ってきた会社がライバルだった場合「金の問題じゃない」という回答をすることがあり得る。有名なのがポルシェの版権を持ったEAがマイクロソフトに盛大な嫌がらせした件ね。

3.鉄道関連
よく話題に出るのがJR東海。東海道新幹線の版権を持ってるわけですが、邪推するに日本史の教科書や観光ガイドなど定期的に掲載されるので利用料の提示がしっかりされているのではないかと。上で書いたように無償で許諾を得ようとすると「利用目的に関係なく幾ら」ってのが提示され、ゲーム開発予算的に無理になるんでしょうね。

よくある解決策としてJR西日本から許諾を取る手があります。マニアじゃないと東京口まで来ている新幹線車両に東海所属と西日本所属があるなんて知らないし。見た目も西日本オリジナルの500系以外は同じだし。

意外なところで阪急電鉄。車輛デザインに海外の会社が絡んでるので鉄道会社の一存では許可が出せないそうです。ゲームだけでなく模型でも影響が出ています。

4.航空関連
企業イメージが重要な業界であるせいか比較的許諾は降りやすいようです。ただし、事故機の再現などが行われないよう、細かな規定やチェックが行われます。航空機は外側に大きく期待番号(レジナンバー)が書かれていますが、「実在のレジナンバーを記載すること」「架空のレジナンバーを記載すること」など会社により指示が異なることもあります。

5.おまけ
三菱鉛筆は創業者の家紋「三つ鱗」を元に自分の所有する会社のマークを考案したもので、三菱財閥とは関係が無い。おまけに三菱鉛筆の商標登録の方が早かったので、それ以降文句も言われない立場。

「アイホン」はドアホンメーカー「アイホン株式会社」の登録商標。アップル製品は商品名の予測がつきやすいので先に抑えられてしまうケースが多いが、この場合は実態のある会社が自社名のついて製品を作る際の登録なのでさすがに抗議できなかった。国内でのアイホン、アイフォーンの商標利用についてはアップル社がアイホンより許諾を受けて行っている形になっている。(とある経済雑誌が両社の財務諸表より算定した利用料は年額1億円)

まぁこんなところかな。一応自分の記憶ベースなので間違いがあるかもしれないが、会話がループしないようにまとめてみました。
posted by たわらった at 00:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 業務連絡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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